理学療法士を辞めて、異業界(他職種)の転職を目指している方へ。
現に異業種への転職活動をしているけど、なかなか内定を貰えない方へ。
今回の記事で、以下のことが分かります。
- 1. 理学療法士が他職種の転職に成功するポイント
- 2. 筆者が他職種(IT系)への転職を成功させた具体的なプロセス
- 3. 他書種から見てセラピスト職がどのように写っているのか?
「理学療法士から異業界・他職種に転職したい」
「肉体的にも収入的にも将来マズいと思うから仕事を変えたい」
漠然とした不安・悩みと戦いながら、仕事を続けるのは辛いですよね・・・
僕が以前いた職場、知り合いの理学療法士も同じような状況でした。
いくら手に職を付けても、比較的安定している業界でも、年収が下がっていたり、診療報酬の改定によって肩身が狭くなっていては、モチベーション維持出来ないのは当たり前です。
「モチベーションは自ら立ち上げるべき」という風潮がありますが、それは今やっている仕事に将来性があってのこと。
また「異業種に転職したい!」とはいえ、どんな職でも良いわけではないと思います。
※ここでは、異業界(他職種)を以下とします。
- 今後収入が上がりやすい業種業界
- 将来性のある業種業界
- 人気のある業種業界
今回は、僕が理学療法士から他職種(IT系)に転職成功したプロセスを徹底解剖していきます。
結論、理学療法士から他職種への転職は可能です。しかし、一般的なやり方ではほぼ不可能に近いです。
なので、今回の記事を最後まで読んで頂くことを推奨します。
■筆者プロフィール
- 理学療法士(登録番号:147059号)として、回復期リハビリテーション病院2年
- 訪問看護ステーションへ転職し、年収100万増
- 認知行動療法をメインとしたリハビリを提供する
- 理学療法士の傍ら、陣頭指揮者として店舗売上を半年で30%以上向上させる
- 個人ブログ年間8万PVを達成し、年収500万円台到達
- 医療福祉業界からIT企業の企画職へ転職成功
- 独学で絵を学び、1年で絵が売れる
- 画家としても活動を始める
理学療法士は他職種への転職が難しい
理学療法士の異業種(他職種)転職が難しい理由は、主に3つあります。
- 1. 働く事に対するマインドが、大きく異なる為
- 2. 理学療法士の業務経験だけでは圧倒的にスキルや経験不足の為
- 3. 他職種が抱く医療職や専門職のイメージによるもの
「え?どういうこと?」と感じると思います。詳しく説明していきます。
1. 働く事に対するマインドが、大きく異なる為
マインドとは、思考・感情・意識・判断・記憶・想像力・意図などが含まれます。
例えば理学療法士を含めた医療・介護職は、患者さんや利用者さんに還元して利益を追い求めない働き方がメインです(開業医や整体院等は除く)。
反対に、IT系や不動産やデザインなどの異業界は、利益追求型のモデルが多いです。
どちらも相手のニーズを叶える事は同じですが、決定的に異なるところがあります。
それは「徹底的に利益を追い求めるかどうか?」です。
上記のマインドが異なった場合、仕事に対する考え方から結果に至るまで大きく異なってくるんですよね。
僕が訪問領域で働いていた時は、民間企業に勤めていました。当然利益を追い求めないと上手く回りません。
しかし働くスタッフは医療介護職ですので、根底にあるマインドが非営利的な考え方です。
よって、会社の売り上げや方針に対して無関心だったり「お金儲けかよ」と反発したりして空中分解が始まりつつありました。
すると、店舗の売り上げが悪化して自分たちの首を絞める結果に至るのです。
他職種はほとんどの場合、民間企業です。
また、医療費や介護費といった国の負担がほぼありません(医療介護系の民間企業は国の負担で賄っている部分が多い)。
よって、想像より遥かに利益を追い求めないと会社が倒産する可能性があります。
国税庁の調査によると、会社が10年続く確率は約6%と言われています。
かなりシビアに考えて行動しないと、成果を出せないのです。
10年後の会社の存続率は6.3%!存続危機から脱するためのポイント
ですから、他職種に応募する前から徹底的にマインドを変えておく必要があるんです。
「今まで理学療法士しかやった事ない・・・」と思っても大丈夫です。
理学療法士が他職種へ転職を成功させるポイントのところで、解決策を詳しく解説します。
2. 理学療法士の業務経験だけでは圧倒的にスキル不足の為
これまで理学療法士として働いてきた経歴を捨てて他職種に飛び込む事は、とても素晴らしい事だと思います。
勘の良い方はお気付きかと思いますが、理学療法士が他職種へ転職する=ゼロからのスタートとなります。
医療・介護職は根本的に働き方のマインドが異なると前述した通り、スキルや経験を他職種へ繋げていきづらいんです。
そう、理学療法士【だけ】の業務経験を積んでいる場合は。
例えば営業スキルや書類作成スキル、TOEICや英会話スキルは異業種で使えますし繋がりがあります。なぜなら汎用性があるからです。
反対に医療や介護のスキルは、他職種では使わない事が多いのでスキル不足と判断されて落とされやすいのですね。
医療介護のスキルはそれ程に崇高で、めちゃくちゃ特化したスキルだという事です。
裏を返すと、理学療法士の業務以外を率先してやれば良いだけのことです。
もしくは転職したい業種業界を具体的に決めて研究し、会社に見合ったスキルをプロアマレベルまで引き上げればなお良しです。
例えば、動画編集スキルやAdobeスキル。
それだけでも印象が良くなりますし、汎用性のあるスキルが身に付きます。
3. 他職種が抱く医療職や専門職のイメージによるもの
医療介護職や専門職が、外部からどのようにイメージされているか知っている人は多くないはずです。
僕はWebマーケティング会社の企画部におり、直接上司や社長と関わる機会が多いです。
他にも色んな職業の、採用や人材育成に関わる方ともお話ししました。
そこで見えてきた事は「具体的にどんな仕事をしているのか把握しにくい・他職種で通用するのか不明瞭」という点です。
例えばリハビリの仕事は直接受けた人でない限り、テレビや雑誌で見たイメージしか抱きにくいです。
「整体師?介護士?」と誤解された経験はありませんか?それくらいイメージが曖昧なんです。
すると、具体的に理学療法士という職業が、どんな説明をしてどんな内容を提供しているのかが見えてこないのです。
結果、本当に使える人材なのかが判断つき難いんですよね。
それが営業職であれば、世間一般的に認知されています。
スキルも汎用的なので、比較的どの業種でもやっていけます。
例えば、相手に分かりやすく説明するスキル・提案するタイミング・売ることに対する寛容さなど。
反対に利益をそこまで追い求めない医療・介護職は、患者さんや利用者さんに説明したり教えたりする機会はあっても、結構特殊な教え方になっています。
「理学療法士って、他職種からシビアなイメージなのか・・・」と思った方、ご安心ください。
他職種に挑む際に、自分がやってきたことを上手くプレゼン出来ると「この人説明が上手いし仕事出来そう」と思ってもらいやすいです。
更に会社のニーズに合った実績やスキルを副業等で身に付けて披露すると、成功確率は上昇します。
理学療法士から他職種の転職はリミットがある
少しでも「他職種に挑戦したい」「理学療法士ではない業種に転職したい」と思っているのなら、今すぐ行動してください。
国家資格という専門職である理学療法士はいつでも復帰可能ですが、他職種は年齢にリミットがあります。
なぜなら、理学療法士の他職種はゼロからのスタートなので、ポテンシャルを見て判断されるからです。
若ければ若いほど「今はスキルが無いけど、伸び代がある」と評価されやすいです。
反対に30代を過ぎると、バッターボックスにすら立たせてもらえなくなります。
年齢を重ねれば重ねるほど、相手からの期待値が下がるのです(未経験かつ膨大な実績がない場合)。
会社にとって1人で何倍もの利益を出せる人材であれば、40代でも転職は可能ですが。
とにかく、動くのは早ければ早いほど良いのです。
特に20代の理学療法士で他職種の転職を少しでも考えている人は、今すぐ目標に向けてアクションを起こしてください。
理学療法士の他職種転職は、一般的な転職方法では通用しない
もう一つ認識しておきたい事が、理学療法士が他職種へ転職する場合、一般的な転職方法では難しいという事です。
もし内定を頂いたとしても、ハードモードからスタートする事も。
知人は理学療法士から不動産業に転職しました。
しかし、内定の条件が営業職として一般職×2倍、月のノルマを達成すること。
達成出来ない場合、試用期間で打ち切りというハードな内容。
他には転職エージェントを活用してアピールしても、全て書類選考で落とされるパターンです。
僕もそうでした。当時企画営業をやって結果を出し、主任クラスになっておりましたが、数十社に応募しても書類選考すら通過しませんでした。
ではどのような転職方法が良いのか?これからお伝えしていきます。
理学療法士が他職種へ転職を成功させるポイント
理学療法士が他職種の転職を成功させたい場合、以下のポイントを最低限おさえておくと良いです。
- 採用決定権がある人に直接関わる機会を設ける
- 知人や上司の紹介
- 理学療法士以外の自分の実績を評価してもらう
かなり重要なところなので、詳しく解説していきます。
採用決定権がある人に直接関わる機会を設ける
なぜ採用決定権がある人と直接関わった方が良いのか?と言いますと、採用決定のプッシュが起こり、内定されやすくなるからです。
例えば転職エージェントを使った場合、直接関わる機会はゼロに近いです。
エージェントが仲介に入る分、あなたの能力や情熱は半減して伝わると言って良いでしょう。
伝言ゲームを思い出してみてください。第三者が絡めば絡むほど、伝えたい情報が濁ってきませんか?
伝言ゲームと似た状況が、他職種への転職を行う際に起こりやすいです。
理学療法士としてステップアップしたい場合は、積極的に転職エージェントを活用した方が良いです。
採用決定権のある人に直接関わる事で、自身の能力や思い・具体的なスキルと経験などを順を追ってアピールする機会に恵まれます。
「でもそんな簡単に関わる機会なんてないよ・・・」と思うかもしれません。
僕は後で指摘されて気付いたのですが、セミナーや勉強会に参加した事でした。
セミナーで出された課題があり、当時は「ライバルと自分に負けたくない!!」と一心不乱に取り組んで当日中に提出しました(深夜まで掛かりました)。
それが評価され「一緒に仕事しないか?」とお声を頂いた経緯があります。
セミナーや勉強会を開催する側の意図として、良い人材や自分の会社に合う人をリクルートしたい思いがあります。
行きたい業種業界・または会社のセミナーや勉強会に積極的に参加してアクションを起こしましょう。
知人や上司の紹介
知人や上司の紹介によって、転職を成功させる人もいます。
信頼感が前もって形成されていますから「この人は悪さをしないから大丈夫」「親御さんの借りがあるから」という理由で、仕事を得ることも。
ただこのやり方は現実的では無いですし、紹介されるチャンスがそもそも来るかも分かりません。
不確定要素が多過ぎるので、再現性は低いです。
ただ人生何が起こるか分からないので、チャンスが来たら掴む準備は常にしておくと良いでしょう。
理学療法士以外の実績を評価してもらう
理学療法士以外でアピール出来る実績も有効な手段です。
行きたい業種業界や会社で、どのような人を求めているのか研究する事が前提です。
もし会社のニーズと自身の実績がマッチしていれば、大々的にアピールすると興味を持ってもらえます。
例えば僕の身近な例を挙げると、以下の通りです。
- YouTubeの登録者数が万単位
- SNSで影響力を持っている
- 大手企業のインターンを経験して繋がりがある
- 圧倒的な営業力がある
- 個人で月間売り上げを100万以上達成した
反対に数年のライティング経験がある、多少プログラミングが出来るというだけでは、そこまで大きな評価に繋がりにくいです。
なぜなら、お金を払って一定期間取り組めば比較的習得しやすいスキルだからです。
大事なのは、周囲よりも実力が突出している事・会社が喉から手が出るほど欲しい実績かどうか?です。
筆者が他職種へ転職したプロセス
僕は27歳の頃に、理学療法士からIT系のWebマーケティング会社の企画部へ転職しました。
具体的に、僕が理学療法士から他職種へ転職した流れをお伝えしていきます。
結論、理学療法士が他職種に転職するには、年齢・実績・行動力があるか?が大きいです。
僕の場合、大きく分けて以下の流れを計画立てて実行してきました。
準備期間→実績を積む期間→チャンスを伺う期間→怖くても実行に移す
1.準備期間
僕は理学療法士3年目で、訪問看護ステーションへ転職しました。
転職当初は何も目標が無かったのですが、4年目に差し掛かる頃に企画営業のリーダーになった事もあって異業種へ転職したい目標が出来ました。
準備期間で重要な事は、何かしら結果を出すための努力を怠らない事です。
具体的に僕は、店舗売り上げを最下位からトップにすべく未経験で営業をしたり資料を作ったり全体の指揮を行ったりしてスタッフを巻き込んでいきました。
空いた時間は理学療法士としての勉強だけでなく、マーケティング全般から営業の勉強に費やしました。
2.実績を積む期間
準備期間を経ていくと、次第に結果が現れてきます。
僕の場合、売上変動の予測精度が上がってきていることを実感したので思い切ってアクションを起こしました。
具体的に言うと、営業に行くタイミングや定期的にどのようなアピールを外部に行うか?です。他にも色んな施作をしています。
このアクションが上手くいき、半年で売上が上がりトップを維持し続けるに至ったのです。
僕は並行して個人ブログを立ち上げ、月間8万PVに到達しました。
ここで大事な事は、本業だけでなく副業でも自身の実績を複数得る事です。
リスクヘッジを複数持っておく感覚に近いですね。
すると、実績が掛け合わされてあなたの能力を買ってくれる確率が飛躍的に向上します。
3.チャンスを伺う期間
理学療法士以外の実績がある程度溜まってきたら、チャンスが来るまでジッと待ちました。
転職エージェントに登録して情報を得たり、セミナーや勉強会に出席したり、色んな人と直接会話してみたり。
自分が意図していなくても、何かしらの形で他職種に挑戦できる切符が必ずやってきます。
ここで大事な事は「他職種に行きたいから」と、欲を出さずに全力で取り組む事です。
Webマーケティング会社に転職出来たのも、僕がその会社に行きたいからアピールした訳ではありませんでした。
とにかく全力で自分の持てる力を出して、課題を提出しただけです。
4.怖くても実行に移す
チャンスが巡ってきたら、怖がらずに実行に移します。
人は安定を求める生き物ですから、いざ変化が起きると本能的に防御しようとするんですね。
僕の場合、あれだけマーケティング職に転職したい気持ちでいっぱいだったのに「失敗したらどうしよう」「いざ挑戦すると怖いな」「今の地位を捨てるのは勿体無い」など不安でいっぱいでした。
ですが、他職種に転職するのは20代が最も大きなチャンスです。
そのチャンスを棒に振るっては何も得られないので、一気に転職しました。
まとめ -他職種に転職した後が大事です-
今回は、理学療法士が将来性のある他職種へ転職するために必要なことをお伝えしました。
医療介護系の仕事が他職種へ転職する場合、これまでのスキルや経験はほとんど評価されにくいと思った方が良いです。
結局能力や実力よりもその人のポテンシャルを見て、採用するかどうかが判断されます。
よって、年齢の若さ・理学療法士以外の実績・行動力・人柄が重要です。
そのポテンシャルをしっかりアピールするために、採用決定権のある人物と直接関わる機会を設けましょう。
他にも理学療法士以外の実績を複数作りましょう。
転職エージェントを利用するのもありですが、書類選考で落とされるケースが多いです。
それならセミナーや勉強会などに参加して、コンタクトをとった方がよっぽど身になります。
そして、転職に成功してから終わりではありません。
むしろ理学療法士時代よりもハードになる可能性が高いです。なぜならゼロからのスタートですし、中途扱いになりますので。
右も左も分からないまま、半分即戦力になるイメージです。
でもチャンスをしっかりものに出来る人は、理学療法士の時よりも将来性のある状況になりやすいです。
軌道修正は若いうちがチャンスです。
迷っているなら、思い切ってアクションしてみるのも良いですよ。