「本当の自分とは何だろう?」「このままでいいのか?」と悩んだ事はありませんか?
今の仕事に不安を持っていたり自分の振る舞いが気になったり、様々なシーンで考える事があると思います。
今回は理学療法士として認知行動療法を提供してきた視点から、自分を深く知る方法をお伝えします。
仕事・人間関係・メンタル面など、色んな方向へ応用可能です。
「認知行動療法って何?」と思った方は、こちらの記事を読んで頂くと今回の話がスムーズかと思います。一般的に病院や在宅リハで用いられるものよりも一般化して話されているので分かりやすいです。
セルフ認知行動療法のやり方と“向かない人”の特徴をわかりやすく解説
人の考え方や生き方には正解がありません。
よって今回お伝えする内容は、筆者の見解として読んで頂ければと思います。
■筆者プロフィール
理学療法士(登録番号:147059号)を6年。
リハビリや運動は、メンタルや心の変化が重要と実感。
心理学を学び、認知行動療法と一緒にリハビリを提供する。
回復期リハビリテーション、整形外科クリニック、訪問リハビリを経験。
理学療法士の傍ら、陣頭指揮者として店舗売上を半年で30%以上向上させる。
個人ブログは年間8万PVを達成。
医療福祉業界からIT企業の企画職へ転職成功。
独学で絵を学んで1年で絵が売れる。画家として活動を始める。
本当の自分とは?
そもそも本当の自分とは、どういった事を指すのでしょうか?
辞書だと以下のように記されています。
1 偽りや見せかけでなく、実際にそうであること。また、そのさま。ほんと。「一見難しそうだが―は易しい」「うわさは―だ」
2 本物であること。正しい姿であること。ほんと。「―の絹を使ったブラウス」「彼こそ―の英雄だ」
3 本来の筋道であること。もともとの状態であること。また、そのさま。本途。ほんと。「からだがまだ―でない」「―なら先に行くところだ」
4 (「本当に」の形で)はなはだしいこと、また心からそう思ったり感じたりしている気持ちを表す。
嘘偽りない自分のことだと判断して良いです。
例えば心の中では”お昼ご飯はお腹に優しいお粥が食べたい”と思っているのに、周囲に合わせて中華料理を食べに行くという事です。
つまり、心と現実が食い違っている状態の事を言います。
本当の自分が分からない原因
本当の自分ではない原因は諸説ありますが、本当の自分に気付いていないからという点が大きいです。
この手の話は哲学に近いので、考えれば考えるほど複雑化して深みにハマって動けない方が続出します。
物事はシンプルに考えるのがベターです。
本当の自分が分からない原因となっている、本当の自分に気付いていない例を挙げます。
例えば「私は出世したい!」と考えていたとします。でも出世するための情報収集をしていなかったりアクションを起こしていなかったらそれは本当の自分ではない訳です。
ネット情報や世間体・上司や知人の意見などが、かりそめの自分を作り上げている可能性があります。
本当の自分が分からなくてもOK!自分を深く知る方法
「本当の自分に気付くためにどうすればいいのか?」と考える人は多いですが、本当の自分が分からなくても大丈夫です。
自分を深く知る事で、何とでもなります。具体的に大きく分けて2つの方法があります。
- 1つ目が、本当の自分に気付くのではなく、本当の自分を作り上げていくこと
- 2つ目が、自分の行動や性格・気質などを俯瞰して気付きのキッカケを与えていくこと
それぞれ解説していきます。
本当の自分に気付くのではなく、本当の自分を作り上げていくこと
無理やり本当の自分に気付く必要はありません。
なぜなら、本当の自分は自分自身を俯瞰して研究していく必要があり、人によって途方もない時間を費やす可能性があるからです。
むしろ作り上げていく方が、遥かに建設的だったりもします。
哲学では”本当の自分は作り上げていくもの”という記述もあります。
であれば、本当の自分を理想の自分と仮定し、作り上げていくことをおすすめします。
例えば本当の自分(理想の自分)が、堂々としたカッコいい人だとします。
「本当の自分だったらどんな行動や考え方をするだろうか?」とひたすら情報を仕入れたり考察したりします。
上記をメモしておいて、適宜使用していく。という流れです。
このように軸を決めて、それに見合ったアクションをしていくのですね。
正解はありません。とにかく本当の自分に近づくアクションを継続していくと良いです。
自分の行動や性格・気質などを俯瞰して気付きのキッカケを与えていくこと
こちらは少し時間がかかりますが、行動や性格などから本当の自分を掘り起こす方法です。
認知行動療法の視点からお伝えすると、環境の変化に伴う自分の行動や気持ちの変化を観察すると分かりやすいです。
自分の1日の行動を細かく書き出して、ゲームや人形劇のようにイメージすると気付きを得られやすいです。
これを俯瞰するとも言います。
「俯瞰」とは、「高所から下方を見渡すこと」および「広い視野を持って(巨視的に)物事を捉えること」の意味で用いられる表現である。「俯瞰的に考える」のような言い回しで用いられることが多い。
例えば、外出時に雨が降ってきたとします。
行動に意識を向けると、傘をさす・雨宿りする・そのまま濡れるなど様々なアクションを取ると思います。
気持ちの変化に意識を向けると、憂鬱・気持ちがいい・不安など人によって様々ですね。
自分はどうなっているのか?意識して気付く事です。
自分の行動や出来事を俯瞰出来ると、他人事に出来るので適切な判断をしやすくなります。
すると「本当はこれがしたかった」「今こういう状況なのか」と気付きを得られます。
こういった練習を最初に積み重ねます。
次に、どんな時にマイナスな気持ちになるのか?プラスな気持ちになるのか?行動とセットにして把握していきます。
プラスな気持ちになっている部分が、まさに本当の自分である可能性が高いです。
そして、マイナスになっている部分を少なくしていけばいいのです。
こうして本当の自分に気付き、それに伴うアクションをして、本当の自分に沿った生き方や暮らしへと変わっていきます。
大切なのは囚われすぎないこと
自分らしく生きたいとか、本当の自分が良いという意見をよく耳にします。
でも大事なことは、囚われずに自由に生きているという事です。
本人が納得する事が重要なんです。
むしろ今の人生に納得がいっているのに「これは本当の自分なのだろうか?」と深く囚われてしまう方が良くないです。
今の状況に不満を持っていて、それが本当の自分では無いと強く実感する場合に活用すれば良いと思います。
生きていく中で考え方や欲求は変わります。
定期的に自問自答して、今の状況に満足しているのかどうか確認しておくと良いでしょう。